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2006.05.19

『小さき勇者たち ガメラ』

 ガメラ映画最新作、と言うか、新生ガメラ映画、昨日ようやく観てきました。結論から言うと、良い映画だな、と思うと同時に、ちょい小品の雰囲気を持った映画だな、と。ただ、ガメラ映画って超大作扱いなのって『ガメラ対バルゴン』くらいだと思うので(^_^;)、ある意味妥当。

 ガメラ映画は、昭和の旧大映制作の7作品が同一世界のシリーズ(いわゆる昭和ガメラ)。徳間大映になって作られた総集編映画『宇宙怪獣ガメラ』が単独の世界設定を持ち、そして平成に入って復活した三部作も、もちろん違う世界のガメラでした。
で、今回はどうか、てのを、それほど収集してた訳でない情報から「どうやら平成三部作の世界観を引き継ぐらしい」と知った。これで、俺的興味は最低ラインのあたりまで落ちていたのだが(^_^;)、実際の所は、新生ガメラと呼ぶに値する、本当に別な時間軸での物語だった。確かに、映画冒頭でガメラと戦闘したギャオスは、平成三部作のソレにそっくりであったし、設定的にも引き継いでるらしく思ったが、こいつらが1973年に対決していると言う事実が、まず平成三部作の世界では有り得ない事。もひとつ言えば、「カメと言う生物が存在しない世界の話です」と監督自ら公言していた平成ガメラならば、今回の様な子ガメと少年の触れあい、などと言う展開はある筈もなく。

 むしろ、そう言った部分は、昭和ガメラのスタンスに近い。遡れば第一作『大怪獣ガメラ』で、俊夫君が飼っていたチビ(飼っていた亀)を逃がしたらタイミング良くガメラが出現して、以降俊夫君はガメラにチビを重ね合わせる、と言う描写があったりするので、今回のは、そういう初期に持っていた(そしてそれほど生かされたとは言い難い(^_^;))設定を、上手くメインテーマとして昇華させたシナリオだと思います。
(余談ですが、少年が飼っていたカメ→ガメラに、と言う設定は、『宇宙怪獣ガメラ』のガメラも使っています。ある意味、伝統的なものか)

 まぁ、結局の所、そう言った昭和ガメラの根底に流れる部分と、平成ガメラの如き設定が混在しているのが、今回のガメラ。と言う事でしょうね。
敵怪獣のジーダスは、まぁリアル系怪獣と言う事になるのでしょうが、そのデザインの方向性てのは、平成ガメラのソレと似た方向でありますし。良い悪いは別にして(^_^;)

 さて。以下はポイント毎に感想を列記。

◆シナリオ&本編演出

 前述の通り、この作品のキモは、少年(または少年達)とガメラ=トトの交流と、そして少年(そしてガメラ)の成長の物語なので、例えジーダスが凶悪怪獣的振る舞いをしても、心温まる部分の方が心に残ります。ある意味、諸刃の剣。平成っぽく、怪獣が人肉喰らったり、その描写がとても今時だったり、そう言う部分が容赦ないのも、対比が良く出てる、と言って良いのか?

 今回観ていて思ったのは、各主要人物間の繋がり、と言うのが、映画進行と共に良く理解出来るってのは良いなぁと。そういう部分での演出は光っていた。特に、透と、その友だち兄弟が海辺で遊んでいて…と言う、一見クソ長く感じるシーンなど、あれをカットしたら、友だちと透の信頼関係と言う部分が観客に伝わらなかったと思った。

 複数の、初対面同志の子供達が、トトの為にと瓦礫の街をリレーするシークエンスは、理屈では説明出来ない感動に溢れていたと思う。

 あと、ジーダス初上陸のシークエンスは、「逃げ出したトトが原因か?」と思わせる演出から始まってるのは、上手いと思った。それより前に、観客には火を吐く所を見せてるだけに、街中に煙上がっているカットに「もしや?」と思わせる事が出来てる。それだけで、あの包丁対トト(^_^;)(多分、ギロンのオマージュなんじゃろな(^_^;))のシーンが無駄にならないのよね。

◆特撮

 頑張ってました。ををすげー!とか感動するカットは個人的には無かったんですが(^_^;)、首捻るカットも無く、その完成度の高さは間違いないかと。強いて言えば、個性のない特撮画面ではあったかな(^_^;)

◆音楽

 上野洋子は、アニメ関係への楽曲提供程度でしか知らない私ですが(ZABADAK時代は全然知らない)、良いメロディを生み出す人だな、と好印象だった、ぶっちゃけ好きだったので、尚のこと、不安だったんですが。
本音を言うと、怪獣が暴れるシーンでの音楽ってのは、まぁ及第点ではあるけれど成功もしてないなと思いました。が、必要以上に音楽を付けてない、と言う点、非常に賢い仕事をしてるな、と感心。で、この映画の面白い点は、いくら怪獣が戦っていようが、話の主導権はずっと人間側(主人公の男の子)が握っている点で、音楽も人間側描写を積極的にサポートする事で、結果として大変盛り上がる仕上がりになってる所。だと思いました。トトを助けようとする子供達への感情移入を誘う為に音楽、故に観客は子供達と一緒にガメラを応援、盛り上がる。いいですね。

 まぁ、ジーダスが今ひとつパッとしないのは、この怪獣単体への音楽的サポートが無い事でもあるんだけど、それ以前にこの怪獣あんまし魅力無いので(^_^;)
ただし、名古屋市街でのジーダス進撃シーンは、目立たないけど効果的な音楽入ってました。

◆ガメラ

 カメ可愛いよカメ。えーと、造形物になって以降は、特に思う事もなく。俺、あんましデフォルメされたデザインを可愛いと素直に思えるまでに数年かかる人なので(^_^;)
ま、デザイン、造型を抜きにしても、その健気さはまさしくガメラ。

◆ジーダス

 敵怪獣なんだけど。まぁ、リアル路線なんだけどね。正直、怪獣としての魅力には乏しいです。違うねん、怪獣はデカい爬虫類と違うねん。ガメラ映画でも、過去に名台詞があるでしょ。「強いて言えば、怪獣類でしょう」と(笑)
過去を見ても、スター怪獣ってのは、リアルな設定だけで生まれくるものでは無く、突拍子もないものを内包して居てこそ。ゴジラは今でこそスタンダードだが、放射能を吐く恐竜と言う、当時としては突飛な存在だった。モスラはデカい蛾だけども、そこに小美人と言うファンタジー設定が加わる事で神格化した。ガメラもそうだ。火を噴いてUFOの様に飛ぶカメ。昭和ギャオスも、首の骨が音叉のようになっていて(劇中での過程)クチから超音波のメスを発射する。

 ジーダスはどうだ。海からやって来て人間を喰う。それだけでしょ(^_^;)
で、これは映画観てる時は気が付かなくて、パンフ読んで知ったんだけど、冒頭で爆散したギャオスの細胞を喰った爬虫類が云々……そりゃ、過去怪獣の設定だけで成り立っていて、キャラクター的に弱いわな(^_^;)
なんつーか、もっと個性のある怪獣誕生希望〜(^_^;)

◆萌えキャラ

 父ちゃんと麻衣ちゃんがお気に入りです(^_^;)
かつてはガメラを目撃し、声援送った父。彼のポジションは、我々世代へのシンクロ率高いかと。
また、自室の窓が隣接する隣のお嬢さん、てのが、年上のお姉さんだ、と言う設定が、今回の最大ポイントかも知れないよ(笑)俺的には。

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