『太平洋奇跡の作戦 キスカ』
この映画、公開当時に4チャンネルステレオ音響版が公開されていた事もあり、LD発売時にはそのステレオ音声を2チャンネルにトラックダウンしたもの(だったと思うが詳しい筋の人突っ込んでくれてOK)が収録されて、それまでモノラル版しか観れなかったファンが拍手喝采し、ついでに一巻目の音声だけが保存状態激悪で音がコンブかワカメ状態だった事にもんどり打ってみたり。しかしながら、ステレオ音響の迫力に酔いしれるには充分だったんですが。
今回のDVDには、遂に4チャンネルステレオ音声が収録されて、更に臨場感!。てゆーか、聞き覚えのない音が聞こえてくると言う、新たな感動がありました。素晴らしい!。でも俺、5.1ch環境じゃないんで(^_^;)厳密には4chで聞こえてる訳では無いのだけど、それでもこの新鮮味。ちょっと涙しました。そして、何度観ても飽きないね!、買った直後に「ちょっとだけ」とか思って再生したけど、気が付いたら犬二匹が最後の飯貰ってたね(^_^;)
てな感じで。以下、転載文章(ぬりえに関しては、同人誌掲載時には中間部分をトリムしてたのを復帰、シネスコ画面構成に近づけました)
太平洋奇跡の作戦 キスカ1965 (昭和40)年6月19日 東宝作品 監督:丸山誠治 特技監督:円谷英二
昭和18年、北太平洋キスカ島から、米軍監視の目をかいくぐって5200名の将兵を撤退させると言う、奇跡的作戦が成功。これをテーマにした異色の戦記映画が、本作品。
本作品の特徴は、そのテーマからしても「惨めな敗戦」と言う重苦しい空気ばかりが目立っていない、と言う点。撤退作戦は成功で終わるのだから、観賞後の爽快感は他の戦記映画では味わえないものがある。戦争の悲惨さ云々は、キスカ島守備隊が米軍に爆撃される度に描かれているし、任務の為に島に向かった潜水艦が沈没して行く様などでも、嫌み無く描かれている。が、やはり本作の神髄は、不可能と思われる事柄に対し、沈着冷静に、それにクソ度胸を加えて全力で立ち向かっていく男達の姿にある訳で。救出に向かう艦隊の描写も、待つ側の守備隊の描写も、とにかく熱い。日本の戦記映画の中で、どれか一本人に勧めろと言われたら、私は間違いなくこの映画を挙げる。それほどに、映画全体の完成度は高い。
特撮は、霧の中を艦隊が進むと言う場面がメインとなる為、屋外の大プールでは無く室内ステージにプールを作って撮影されたらしい。モノクロ画面故の効果もさておき、精巧なミニチュアと霧を巧みに使用、そして本編側との見事な連携と編集にて、現在の目で観てもかなり満足度の高い仕上がり。確かに合成カットとかで限界は感じるものの、「絵とはこう作るべし!」てのは十分に味わえる事と思う。
三船が演ずるは、この作戦を指揮する大村司令官。過去のどの戦記映画と比べても、これだけ作品の中心になっている三船は、実はかつて無かった。名台詞も満載で、三船ファンなら観ておくべきだ。てゆーか、日本人なら観ておけ。
ぬりえは、艦隊が、突入不可能と言われていたキスカ島西海岸の岩礁地帯を無事に抜け、守備隊監視所の前を通過するカット。飼い犬を手前に配置し、その向こうの霧の中から艦隊が現れると言う、名合成カット。
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コメント
初めて買ったデッキで録画した映画が
『月曜ロードショー』で放映したコレでしたよ〜(^^)
東京は大井武蔵野館の閉館時に上映されたのもコレでした(^^;
そんな理由は抜きにしても、
オイラの一番好きな映画だったりします(^^)
投稿: いか | 2005.09.09 21:08
82年夏の月曜ロードショーでしたかな、『山本五十六』
『太平洋奇跡の作戦 キスカ』『日本のいちばん長い日』の三週連続放映は、
一つの伝説と昇華しておりますね(笑)
私、最近人からこの時の五十六とキスカの荻昌弘解説を貰って、
懐かしさにトリップしてしまいました(笑)
投稿: 田亜湖 | 2005.09.09 21:16